採用・費用

特定技能の採用費用はいくら?企業が負担する費用の内訳と採用の流れ

公開日:制度情報の最終確認日:2026年10月26日

この記事の要点

  • 費用は「国内に住む人を採用するか、海外から呼び寄せるか」「支援を委託するか」「許可される在留期間」の三つで大きく変わります。
  • 在留資格の変更・更新の手数料は、2026年10月1日の受付分から、許可される在留期間に応じた額に変わりました(オンライン申請で1年の許可なら27,000円と決済手数料330円)。
  • 1号特定技能外国人への支援の費用は、外国人本人に負担させることができません。職業紹介の手数料も、原則として求職者から受け取ることはできません。
  • 紹介手数料を比べるときは、金額だけでなく、早期に退職した場合の返戻金の条件も確認しましょう。

「特定技能の外国人を1人採用すると、いくらかかるのか」。外国人の採用を考え始めた企業が、最初に気になることの一つです。

答えは、採用の方法によって大きく変わります。この記事では、公的に金額が決まっている費用と、依頼する事業者によって変わる費用を分けて整理し、2026年10月26日時点の制度にもとづいて、企業が負担する費用の内訳と採用の流れを説明します。

なお、紹介手数料や登録支援機関の委託費の「相場」は、事業者や条件によって大きく違うため、この記事では金額の目安を示していません。比べるときの見方を中心にお伝えします。

費用を決める三つの要素

  1. 国内に住む人を採用するか、海外から呼び寄せるか:海外から呼ぶ場合は、渡航や入国に関わる費用と手続きが加わります。
  2. 支援を委託するか、自社で行うか:登録支援機関に委託すれば委託費がかかり、自社で行えば担当者の時間や通訳などの費用がかかります。
  3. 許可される在留期間:在留資格の変更・更新の手数料は、2026年10月1日から、許可される期間の長さで変わります。

費用の全体像

種類 主な費用 金額の決まり方
公的に金額が決まっている費用 在留資格の変更・更新の手数料 法令で決まっている
事業者によって変わる費用 職業紹介の手数料、登録支援機関の委託費、申請書類の作成を依頼する場合の報酬 依頼する事業者の料金表による
採用の方法によってかかる費用 渡航費、空港への送迎、住まいの準備 実費。誰が負担するかを事前に決めておく
雇用している間に続く費用 給与と社会保険、支援の費用、在留期間の更新手数料 給与は日本人と同等以上が条件

飲食料品製造業の分野別協議会は、農林水産省の案内で「当面の間、入会金や年会費等の費用は徴収いたしません」とされています。ただし、在留資格の申請の前に加入する必要があり、加入証の発行まで2〜3か月程度かかるとされています。費用はかかりませんが、スケジュールには大きく影響します。

【比較表】国内に住む人の採用と、海外からの呼び寄せ

費用・手続き 国内に住む人を採用 海外から呼び寄せ 本人に負担させられるか
分野別協議会への加入 必要(飲食料品製造業は当面無料) 必要(同左) ―
技能試験・日本語試験 候補者が受験(技能実習2号を良好に修了した人は免除の場合あり) 同左 ―
在留資格の変更許可 必要(許可期間に応じた手数料) 不要 ―
在留資格認定証明書の交付申請 不要 必要 ―
査証(ビザ) 不要 必要(国籍や在外公館によって異なる) ―
入国のための渡航費 不要 必要 負担者を定めた規定は見当たらないため、誰が負担するかを事前に書面で取り決める
空港への送迎 入国時は不要(帰国するときの送迎は必要) 必要(義務的支援) できない(支援の費用)
住まいの確保の支援 必要に応じて(すでに住まいがある場合は不要なことも) 必要(義務的支援) 支援の費用はできない。家賃などは事前に説明して合意する
職業紹介の手数料 紹介会社を使う場合 紹介会社を使う場合 できない(原則)
登録支援機関の委託費 委託する場合 委託する場合 できない
申請書類の作成の報酬 行政書士などに依頼する場合 同左 ―

国内に住む人を採用する場合も、すでに特定技能で働いている人の転職を受け入れる場合も、在留資格の変更許可が必要です。許可が出る前に新しい職場で働き始めることはできません。

自社の技能実習生が特定技能に移る場合

自社で働く技能実習生が、技能実習2号を良好に修了して特定技能1号に移る場合は、関連する職種・作業であれば技能試験が、職種にかかわらず日本語の試験が免除されます。渡航費や在留資格認定証明書の手続きはかかりませんが、在留資格の変更許可の手数料と、特定技能としての支援の費用(委託費または社内の業務)が新たにかかります。

採用の方法 時間がかかりやすい手続き 主に増える費用
国内に住む人を採用 協議会への加入(2〜3か月程度)、在留資格の変更許可の審査 変更許可の手数料、紹介手数料(紹介会社を使う場合)、支援の費用
海外から呼び寄せ 協議会への加入、試験の受験、在留資格認定証明書の審査、査証、渡航の準備 渡航費、空港への送迎、住まいの準備、紹介手数料、支援の費用
自社の技能実習生が移行 協議会への加入、在留資格の変更許可の審査 変更許可の手数料、支援の費用

2026年10月1日からの在留手数料

在留資格の変更許可と在留期間の更新許可の手数料は、2026年10月1日に受け付けた申請から、許可される在留期間の区分ごとの額に変わりました。それまでは、オンライン申請で一律5,500円でした。

許可される在留期間 オンライン申請の手数料 決済手数料
3か月以下 10,000円 330円
3か月を超え6か月以下 15,000円 330円
6か月を超え1年未満 21,000円 330円
1年 27,000円 330円
1年を超え3年未満 42,000円 330円
3年以上5年未満 56,000円 550円
5年以上 65,000円 550円

出典:出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続の手数料」。窓口(収入印紙)で申請する場合は、オンラインとは別の額が定められています。金額は出入国在留管理庁のポスター・リーフレットで確認してください。

特定技能1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に指定されます。そのため、特定技能1号で「5年以上」の区分の手数料がかかることはありません。何年の許可が出るかは個別の判断で、申請の時点では分かりません。

  • 経過措置:2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても、改定前の額です。
  • 減免:経済的な困難などの特別な理由がある場合に、手数料を減額・免除できる制度が設けられています。対象は出入国在留管理庁のガイドラインで確認してください。

外国人本人に負担させてはいけない費用

特定技能では、外国人本人にかかる費用について、次のような決まりがあります。

  • 支援の費用:1号特定技能外国人への支援に要する費用は、「直接又は間接に当該外国人に負担させない」ことが求められています(特定技能基準省令)。登録支援機関への委託費、空港への送迎、生活オリエンテーションなどの費用を、給与から差し引くこともできません。
  • 職業紹介の手数料:有料職業紹介事業者は、原則として求職者から手数料を受け取ることができません(職業安定法)。
  • 保証金・違約金:雇用契約の不履行について違約金を定める契約などを、ほかの者との間で結んでいないことが求められています。
  • 帰国の旅費:雇用契約が終わった後、本人が帰国の旅費を負担できないときは、受入れ企業が負担します。
  • 報酬:日本人が同じ仕事をする場合と同等以上の報酬であることが条件です。

海外から採用する場合、本人が母国の送出機関や学校に費用を払っていることがあります。採用の前に、本人がいくら、何のために払っているのかを確認し、来日前に大きな借金を抱えていないかにも目を配ることが、入社後のトラブルを防ぐことにつながります。

紹介手数料と返戻金の見方

有料職業紹介の手数料は、厚生労働大臣に届け出た手数料表にもとづくものか、法令で上限が決められたもののどちらかです。紹介会社を比べるときは、次の点を確認しましょう。

  • 手数料は何に対して、いつ発生するのか(内定時か、入社時か)
  • 早期に退職した場合の返戻金の条件(どの期間に、何割が返されるのか)
  • 入社後の支援(登録支援機関への委託)が含まれるのか、別の費用なのか
  • 在留資格の申請書類の作成は行政書士の業務で、紹介会社の手数料には含められません。行政書士への報酬が別に必要かを確認しましょう
  • 税込か税別か

職業紹介事業者の手数料や返戻金の制度は、厚生労働省の人材サービス総合サイトや、各社のホームページで確認できます。

採用の流れと期間

国内に住む人を採用する場合

  1. 分野別協議会への加入(飲食料品製造業は加入証まで2〜3か月程度)
  2. 候補者の選考、雇用契約の締結
  3. 事前ガイダンス、支援計画の作成、市区町村への協力確認書の提出
  4. 在留資格の変更許可申請
  5. 許可後、就労開始。生活オリエンテーションなどの支援

海外から呼び寄せる場合

  1. 分野別協議会への加入
  2. 候補者の選考(現地での面接やオンライン面接)、雇用契約の締結
  3. 事前ガイダンス、支援計画の作成、市区町村への協力確認書の提出
  4. 在留資格認定証明書の交付申請
  5. 証明書を本人に送り、現地の日本大使館・領事館で査証を申請
  6. 入国、空港への送迎、生活オリエンテーションなどの支援

海外から呼び寄せる場合は、協議会の加入、試験、書類の準備、在留資格の審査、査証の手続きが重なるため、数か月単位の時間がかかります。在留資格の審査にかかる期間は、出入国在留管理庁が公表している処理状況で確認できます。

雇用している間に続く費用

  • 給与と社会保険:日本人と同等以上の報酬が条件です。
  • 支援の費用:登録支援機関に委託する場合は委託費、自社で行う場合は担当者の時間や通訳の費用がかかります(自社支援と委託の比較)。
  • 在留期間の更新手数料:許可される期間に応じた額がかかります。
  • 届出の事務:年1回の定期届出と、変更があったときの随時届出が必要です。

費用を確認するためのチェックリスト

ラムナーリンクの見方(制度の説明ではなく、私たちの考えです)

採用の費用は、紹介手数料の金額だけで比べられがちです。けれども、入社して数か月で退職してしまえば、採用にかけた費用と時間の多くが無駄になります。働く条件や仕事の内容を、本人が分かる言葉で入社前に伝えること、入社後の困りごとに早く気づける仕組みをつくることが、結果として採用の費用をいちばん抑えると考えています。

よくある質問

外国人本人に負担してもらえる費用はありますか?

支援の費用は、本人に負担させることができません。職業紹介の手数料も、原則として求職者から受け取ることはできません。家賃などの生活にかかる実費の扱いは、雇用条件として事前に本人に説明し、合意しておく必要があります。

国内に住む人と海外から呼ぶ人では、どちらが早く採用できますか?

一般に、国内に住む人の採用は、渡航や在留資格認定証明書の手続きがない分、早く進めやすくなります。どちらの場合も、協議会への加入に時間がかかるため、早めに準備しておきましょう。

2026年10月の手数料の改定で、どれくらい変わりましたか?

オンライン申請の場合、改定前は一律5,500円でしたが、改定後は許可される期間に応じて10,000円から65,000円(このほか決済手数料)になりました。たとえば1年の許可なら27,000円です。

外食業の特定技能は、今も採用できますか?

外食業は、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が止まっています。詳しくは外食業の受入れ停止と給食の見直し案の記事をご覧ください。

まとめ

特定技能の採用費用は、採用の方法と支援の方法、許可される在留期間によって変わります。比べるときは、紹介手数料や委託費の金額だけでなく、返戻金の条件、委託費に含まれる支援の範囲、本人に負担させてはいけない費用まで確認しておくことが大切です。

ラムナーリンクの料金は、届け出た手数料表と照合したうえで料金・手数料のページに掲載します。採用の方法に合わせたお見積もりも、内訳の分かる形でお出しします。

この記事は、公開日または更新日の時点で確認できた情報にもとづく一般的な説明です。制度は変わることがあります。個別の事案は、出入国在留管理庁などの関係機関や、行政書士・弁護士などの専門家にご確認ください。編集方針

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